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NHKスペシャル、スクープ「沖縄と核」沖縄に核ミサイルの基地があった

投稿日:2017年9月11日 更新日:

NHKスペシャル沖縄と核」(9月10日放送)は、ショッキングなドキュメントでした。NHKが入手した1,500点もの未公開映像・機密文書から、1960年代、世界最大の核拠点となっていた沖縄の危機的実態が明らかになりました。




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核の島・沖縄の真実

1953年、沖縄・伊江島のアメリカ軍基地が突然、拡大されることになりました。島の北西部の住民は、反対しても強制的に家屋を接収されていきました。

その目的は、核戦争を想定した訓練のための基地建設だったことをNHKが突き止めました。

アメリカ・アラバマ州のマクスウェル空軍基地で、沖縄での米空軍の活動を記録した文書が開示されました。

その中に、沖縄・伊江島で行なわれた爆撃訓練の内部文書があったのです。

文書によると、伊江島で「LABS(低高度爆撃法)」という核爆弾を投下する最新の爆撃法の訓練を行なうことになり、そのための基地建設が計画されていました。

「LABS」は、敵のレーダーをかいくぐるため、低空飛行で侵入、その後急上昇して核爆弾を投下する訓練です。

こうした沖縄でのアメリカ軍の核兵器の活発な運用の背景には、アメリカの核戦略の転換がありました。

⇒ 時の大統領アイゼンハワーは、核兵器を積極的に活用する方針を打ち出し、沖縄に着目。

「極東の空軍能力を増強する。緊急時の使用に備え、核兵器を沖縄に配備すること」

当時は、ロシアの水爆実験の成功、朝鮮戦争での戦闘、中国共産党の躍進など極東の共産圏勢力との緊張状態があり、アイゼンハワーは、朝鮮や台湾に近い沖縄を核戦略の拠点にしようと考えたのです。




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核がもたらした沖縄の基地拡大

1950年代末、沖縄に海兵隊が移転してきました。

海兵隊は現在、沖縄の基地の7割を占めるそうです。そして、海兵隊移転に関しても核兵器の存在が絡んでいました。

当時の海兵隊に関する内部文書には、

「核兵器の新たな時代に備え、海兵隊自らも核で守らねばならない」という趣旨のことが書かれています。

そして、海兵隊は1955年に、日本本土に核ロケット砲『オネストジョン』の配備を計画しました。

しかし、当時はアメリカの水爆実験により、ビキニ環礁で日本人が被爆、世論の反発必至と思われ、その計画は断念せざるをえませんでした。

そこで、沖縄に着目。1950年代末に沖縄北部に新たな基地を確保しました。
そこへ、海兵隊はオネストジョンを持ち込んだのです。



ところで、沖縄のアメリカ軍は、ソビエトからの核攻撃に危機感を募らせていました。

特に核兵器を貯蔵していた弾薬庫への攻撃を最も恐れていました。嘉手納の弾薬庫には沖縄の大半の核兵器が貯蔵されていました。

そこを守るため、新たに『ナイキ・ハーキュリーズ』という迎撃用核ミサイルが配備されました。

核を核で守るという発想です。

ある時、そのナイキ核ミサイルが核弾頭を搭載したまま誤発射し、海に突っ込むという事故が起きました。その核弾頭は、広島型と同等の威力があったそうです。アメリカ軍はその事故を隠蔽し、ずっと極秘にしてきました。

核兵器が集中する沖縄は、いつどんな事故が起きてもおかしくない状況だったのかもしれません。



●1960年、日米安保条約が締結され、核兵器についても取り決めがなされました。

アメリカが日本国内に核兵器を持ち込もうとする際は、事前協議をするという制度が設けられました。

一方、当時の岸首相は、アメリカの核が抑止力として日本の安全保障に不可欠と考えていました。

その間の矛盾を解決するため、”事前協議には沖縄を含まない”ということにしました(条約締結に向けた内部文書に記載)。

当時の政府は、沖縄に核を持ち込むことを黙認したのでした・・・。



●1960年代、米軍はさらに強力な核兵器を沖縄に配備していきました。

例えば、広島型の70倍もの威力を持つ核ミサイル『メースB』。米軍はこれが核であることを伏せて基地建設に着手。

しかし、その事実が漏れ、琉球政府の議員達は日本政府に配備中止を求めて協力を要請しました。

ところが、その要請は無視され、1962年、4つの『メースB』の基地がが建設されてしまいました。

こうして、アメリカの核拠点として整備されていく中、沖縄が核戦争の瀬戸際に立たされていたことが浮かびあがってきました・・・。


核戦争、破滅の危機(キューバ危機と沖縄)

1962年のキューバ危機。

ソビエトがアメリカの喉元のキューバに核ミサイルを持ち込んでいたことが発覚、米ソは一触即発の危機に陥りました。

その時、沖縄の『メースB』発射基地も緊迫した空気に包まれていました。

当時、その基地で核ミサイル発射に関わる任務に当たっていた元兵士が、NHKの取材に応じて、以下のような証言をしています。

基地内でごく一部の兵士しか知らない『メースB』の攻撃目標(=トップシークレット扱い)を、その兵士は知っていました。

その目標とは、中国でした!



当時アメリカは、ソ連と友好関係にあった中国を一体化した敵国と見なしていました。アメリカがソビエトを攻撃する際は、同時に沖縄から中国を攻撃する計画でした。

こうして、沖縄の核は、世界を巻き込む全面核戦争の引き金となる可能性があったのです。

アメリカ軍は、キューバ危機のこの時、史上初めて「DEFCON2」(核戦争の準備態勢)を宣言しました。

先の元兵士は、司令室に閉じこもり、さらなる事態「DEFCON1」(核戦争突入)に備えていました。『メースB』は「HOT(発射可能)」でスタンバイ。

核ミサイルは、いつでも発射できる準備が整っていました。

また、別の元兵士は、核兵器に搭載するプルトニウムを韓国の空軍基地に輸送した、と証言しました。

沖縄は、緊急時には韓国や日本本土に核兵器を供給する拠点にもなっていたわけです。

結局、核戦争の危機は土壇場で回避されましたが、沖縄はその時、確かに破滅の瀬戸際にあったということができます(報復攻撃にあうのは必定でしたから・・・)。


キューバ危機後の沖縄

キューバ危機後も、沖縄の核兵器は増加を続け、ピーク時の1967年には、1.300発に登っていました。

その頃、沖縄では、核兵器の撤去と本土復帰の声が高まり、日米両政府は、住民のその声を無視できなくなっていました。

ついに、1969年、佐藤栄作首相とニクソンは沖縄返還で合意、核兵器撤去も合意されました。

しかし、この時も密約が結ばれていたことが、後に発覚しました。

「緊急時には再び沖縄に核兵器を持ち込む。嘉手納、那覇、辺野古の核弾薬庫を使用可能な状態で維持しておく」と。



今回、NHKの取材に対し、米国防総省は、

「(現在の)沖縄における核兵器の有無については回答しない」と答えました。

日本の外務省は、

「核密約は現在無効で、核兵器は非核三原則を堅持し、いかなる場合も持ち込みを拒否する」

という姿勢を示しています・・・。




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